野球は巨人を中心に見ている僕ですが、先週視聴したYouTubeにアップロードされていたアダム・ウォーカー選手の紹介映像。アダム・ウォーカー選手の挨拶を通訳さんが訳していたのですが、
和訳に少々違和感を感じました。
別にデタラメ和訳ではないのですが、日本語された訳が非常に一般選手が使うようなテンプレ回答に終始していました。
そして3月26日のヒーローインタビューでウォーカー選手がお立ち台インタビューを受けたのですが、これまたウォーカー選手の発言とは違う日本語和訳がされていたので、今回はそのヒーローインタビューの英語と通訳日本語の文字起こし、そして僕自身の翻訳を添えてお伝えします。
こちらがヒーローインタビューの映像です。中島選手、若林選手が先にインタビューを受けています。
3月26日アダム・ウォーカー選手のヒーローインタビューを纏めました
質問:東京ドームのお立ち台からの景色は如何でしょうか?
ウォーカー選手発言(聞き取り辛い所もあり、完璧には起こせていません)
It is amazing. The fans came out. This place is packed. You guys are amazing. I cant wait for the rest of the season day by day. Thank you for the support
通訳さんの和訳
沢山の皆さんの前でプレーが出来て本当にうれしいと思います。また応援よろしくお願いします。
(訳してみた)ファンが沢山ここに居る事が非常に素晴らしいです。本当に混みあっていますね。皆さん素晴らしいです。この1年間毎日を過ごすのが非常に楽しみです。応援ありがとうございます。
質問:日本に来て開幕をして初めての打席でした。タイムリーになりました。あの打席を振り返って下さい。
It’s great It’s always great to get the first one (out of わからない…) you know hopefully many more will come, keep working and keep try to get many more wins
初打席でチームの勝利に貢献出来て本当に嬉しく思っています。これからもチームの勝利に貢献できるよう頑張っていきたいと思います
(訳してみた)良かったです。最初の(ヒットが出る事は毎年嬉しいです。)そしてもっと打ちたいですね。その為に常に努力して、そして勝利を重ねていきたいです。
質問:ウォーカーさん、一緒に来日したポランコ選手もベンチで大喜びでしたよ。
I mean yeah, he is a great guy. This is a great team. I’ve only been here in short time but I can tell that everyone of those guys in the dugout is amazing people. It is gonna be a lot of fun in this year
ポランコもそうですし同僚チームメートコーチに皆様も素晴らしいと思います。これからも応援よろしくお願いします。
(訳してみた)ポランコ選手は本当にイイ奴です。そしてこのチームも素晴らしいです。まだ短い期間しか在籍していませんが、このチームにいる全員が素晴らしい人達という事がわかります。今年はとても楽しい1年になりそうです。
質問:最後に昨日はポランコ選手が素晴らしい日本語でファンの皆さんにメッセージを下さいました。できたらウォーカー選手も最後にお願いします。
オウエンヨロシクオネガイシマス。アリガトゴザイマス
巨人軍アダム・ウォーカー選手の日本語訳がテンプレすぎると最初に気付いたのはコチラの映像です
日本人選手の前で挨拶をするシーンから始まる設定にしています。
見かけはドレッドヘアーでやんちゃっぽいイメージのウォーカー選手ですが、3月26日のヒーローインタビューを含めた彼の発言は、さすが巨人は紳士を連れて来たなという印象です。ですが残念ながらウォーカー選手の発言の日本語訳は、一般的な選手が使うテンプレ受け答えになってしまっているのが残念な所です。
決して通訳さんを悪く思っている訳ではない
この様な記事を書くと通訳さんがしっかりと仕事をしていないという批判記事と捉える方がいます。
まったく見当違いです。
通訳という仕事は、英語関連でも最も最高峰で難しい作業なのです。
僕らの様なアメリカの大学を卒業した日本人は、英語を駆使する時は
「完全に英語で物事を考えているのです。」
これは24時間365日以上繰り返すから、英語場面では頭は完全に英語なのです。
しかし通訳さんは、1つ受けた文章を直ぐに英語⇒日本語、日本語⇒英語
アメリカの大学を卒業している僕でも、これは簡単にできる作業ではないのです。
これは逆に常に本等を翻訳している、同時通訳をしている方では無いと出来ない作業なのです。
(僕も挑戦「させられた」事があります。TOEIC820点くらいだったころ、バイト先に英語人間が誰1人いなかったので、ヨーロッパ人社長客の対面英語クレームの通訳をやらされました。ハッキリ言って何もできませんでしたよ。コミカレ卒後でしたが、そんな英語なんて習った事が無いのですから。)
野球選手の通訳にそこまで慣れていないのではないか?
今回の通訳をされた男性。お名前も存じませんが、恐らく野球選手の通訳の経験が少ないのだと感じます。ですので、彼自身の語彙が普段の日本人選手のインタビューテンプレコメントである
・頑張ります
・応援して下さい
しか頭に無かったので、生中継ヒーローインタビューという最も緊張する場面では中々力を発揮できなかったのではないでしょうか。
大谷翔平さんの通訳である水原一平さんの様に、現地生活経験豊富、本場の野球用語を完全に理解している…という状態ではないのが今回とYouTube映像の通訳の方です。
今後も外国人選手の通訳の質には注視していく予定です
文中お伝えしている通り、僕の専門は通訳ではなく会話ですので、英語の日本語化は結構苦手なのです。ですが、その通訳があまり上手にできていない場合、外国人選手の感情や思考が正しく日本のファンに伝わらないという、これはコミュニケーションには結構危険な状態です。
不定期ですが、今後も気になる点が見つかった場合は指摘を続けていこうと思います。
読んで頂きありがとうございました。
(余談ですが、野球でもサッカーでも、白人選手だと敬語に訳される事が多く、黒人やラテン系の選手だとタメ口の様な通常語に訳される事が多いです。全て翻訳者若しくは校正記者のイメージによるものです。)
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