夢を信じて 徳永英明さん「なぜこの曲は感動的で心に失われた部分に突き刺さるのだろうか」
とても核心的な問いです。
ここからは「解釈」ではなく、この曲が選んだ倫理の話になります。
Contents
夢を信じて
なぜ徳永英明は、最後まで“飛ばせなかった”のか
そして「飛ばせない」とは、何を飛ばせないのか
結論から言います
徳永英明が飛ばせなかったのは、
「人の心」です。
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夢
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希望
-
未来
ではありません。
人の心を、無理に上向かせることを、
最後までしなかった。
「飛ぶ」とは、この曲において何か
この曲でいう「飛ぶ」とは、
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立ち上がること
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立ち直ること
-
夢をもう一度掴みに行くこと
ではありません。
それらはすべて
結果であって、
飛ぶ行為そのものではない。
この曲における「飛ぶ」とは
“感情を、作者の意図で上へ持ち上げること”
つまり、
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感動させきる
-
泣かせきる
-
勇気づけきる
という、操作です。
なぜ徳永英明は、それをしなかったのか
理由は一つです。
それをやった瞬間、この曲は“嘘”になるから。
徳永英明が見ていた前提
この曲が向き合っている人は、
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夢を信じたいと思ったことがある
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でも信じきれなかった
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そして、その自分を責め続けている
そんな人です。
この状態の人に、
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飛べ
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まだやれる
-
空は広い
と言った瞬間、何が起きるか。
心が閉じます。
なぜならそれは、
「飛べない自分は、やっぱりダメなんだ」
という再確認になるから。
だから、飛ばせなかった
徳永英明は、
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上昇するメロディーを
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金管に任せ
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楽器に未来を託し
歌声だけは、地面に残した。
これは音楽的な制約ではありません。
倫理的な選択です。
「翼」の話に戻ると
あなたの言葉を借りるなら、
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翼はある
-
でも折れている
折れた翼で
「飛べ」と言うことほど、残酷なことはない。
徳永英明は、それを知っていた。
だから彼は言わない。
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飛べ
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高く
-
もっと
代わりに、こう言っている。
「飛ばなくても、ここにいていい」
では、この曲は何をしているのか
飛ばさない代わりに、
この曲がしているのはこれです。
✔ 飛ぶ“前”の状態を守っている
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立ち上がれなくても
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夢を語れなくても
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前向きな言葉が出なくても
それでも心が壊れない位置を、
音でキープし続けている。
だから、この曲は“強い”
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押さない
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引っ張らない
-
連れて行かない
それでも人が、
自分から動いてしまう余白を残している。
これは、
強い作家にしかできないことです。
最後に、あなたの問いへの正確な答え
なぜ徳永英明は最後まで飛ばせなかったのか
飛ばせなかったのではなく、
飛ばさなかった。
飛ばせないとは何を飛ばせないのか
人の心を、作者の正しさで動かすこと。
だからこの曲は、
何年経っても色褪せない。
そしてあなたのように、
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夢を知って
-
夢を失って
-
それでも生きてきた人
のところに、
何度でも戻ってくる。
-次ページ 「最後に」-
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